手打ちうどんの作り方

医療法人ビハーラ 藤原胃腸科 藤原壽則

 

久しぶりに手打ちうどんを作って、グループホーム・アショカの入居者のみなさまにご馳走しました。グループホーム・ルンビニー開設当初、入居者たちに食べてもらって以来ですから、2年半ぶりのうどん作りになります。

  7月25日、日曜日午前4時、目覚まし時計の耳をつんざくようなけたたましい音に眠い目をこすりながら起き出して手打ちうどん作りに取り掛かりました。今日は、入居者と職員合わせて30人ほどのうどん作りです。大きなボールに盛った小麦粉に、用意した塩水を注ぎます。

  私は幼少時代を瀬戸内海の大三島で過ごしました。当時は、同世代の者の多くが経験した食料難の時代。銀飯(ぎんめし、米のご飯)を腹いっぱい食べたいと日々考えていました。そんな頃、子供たちにとって一番待ち遠しい、うれしい行事は、正月、お盆と並んで、田植えや秋の収穫を終えて、共同で農作業をした隣近所の者たちが、当番の家を決めて、夕方になるとその家にそれぞれ家族で集まり、手打ちうどんを作って食べる夕べのひとときでした。私たちは大人たちの見事な手さばきのうどん作りを始めから終わりまで、熱心に眺めていました。その頃のうどんの味を、今も自分の中に懐かしく、暖かく抱き続けています。以来、私のうどん好きは今日まで続いているのです。

  26年前、 松山に診療所を開設して以来この地に住んで、うわさを耳にしたうどん屋には必ず足を運んできました。しかし、子供の頃、村で作ったうどんの「こしこし」とした、懐かしい味に出会うことがない。それならばと、子供の頃眺めたうどん作りを思い出しながら、自分でうどん作りを始めて20余年になります。

  正午過ぎ、ホームの職員たちと一緒に出来上がったうどんを一人ずつ、どんぶりに盛っていきました。果たして、みなさん、私の作ったうどんに対する評価はいかがなものだったのでしょうか。

「アショカにゅーす」でうどん作りの様子をご覧いただけます。


  以下、私の手打ちうどん作りの手順を公開したいと思います。
  1. 道具
めん棒 直径3cm程度、長さ50〜60cmの丸太(厨房店で1,000円程度で求められる)
うち台 私は電気炬燵台にベニヤ板を貼ったものを使っている
鉢またはボール できるだけ大きいものの方が練りやすい
麺切り包丁 なるべく大きい菜切り包丁で間に合うが、専用の麺切り包丁を用意する方がよい(15,000円〜)
大きいものがよい
ざる ゆでた麺を流し水で水洗いする
  1. 材料(5〜6人分)
小麦粉 中力粉 500g (1kg 200円)
220〜230ml

少々
  1. 作り方
塩大さじ3杯(約20g)を220〜230mlの水に溶かして塩水を作る。ただし、夏場は5g程度多めに溶かす。
小麦粉500gをボールに入れ、真中の部分に凹みを作って、その中に1の塩水を少し注ぐ。
両手の指を広げて、底から上へ持ち上げるように何度もかきまぜる。この時、粉全体に均等に水分がゆきわたるようにするのが、よいうどんを作るコツである。
完全に粉全体に水分がゆきわたった状態で、これをビニール袋にいれて30〜60分放置する。いわゆる「寝かせ」である。粉はひとつの塊になる。
ビニール袋から取り出して丸い「だんご」を作り、これを手の平で伸ばして「鏡餅」を作る。

次に足踏みです。
打ち台の上に十分なメリケン粉を撒き、その上に5でできた鏡餅をのせ、その上に厚い布を掛ける。40〜50回足で踏む。こうして厚さ1cm位の扁平な「円盤」ができる。この「円盤」をビニールで包み、温室で3時間ほど寝かせる。寝かせている間に粘りが出て、伸ばしやすくなる。

「円盤」をのべ棒で伸ばす。前後、左右と均等な力で数回伸ばし、3〜4cmの厚さになるまで伸ばす。
これを手前から向こうへ、向こうから手前方向へと折り重ねて、8〜10cm巾にたたむ。包丁を向こうへ押すように使いながら3cm巾くらいに切っていく。この巾は、好みによって、太うどん、細うどんなどアレンジを。切り終えたら切れ端をつまんで振りさばいていく。
  1. かけ汁の作り方(5〜6人分)

 水1.5リットルにだし昆布(10cm角1枚)、いりこ(または削り節)50〜60gを入れて1〜2時間放置した後に点火する。沸騰すればすぐにだし昆布といりこを引上げ、布でこす。砂糖20g、みりん20cc、醤油(濃口)100ccを入れて加熱する。さらに「味の素」、「ほんだしの素」を少々加える。
  沸騰直前に火を止めてできあがり。
  ねぎ、みつば、薄く切ったかまぼこ、薄あげなど好みの薬味を用意する。

 出来上がったうどんに舌つづみを打つ瞬間は、楽しい心の豊かさを感じるひとときです。
  みなさん、ご家族の一家団欒、親子のスキンシップのためにも、家族で是非うどん作りに挑戦してください。

 
バックナンバー