新しい痴呆介護

グループホーム・アショカ グループホーム・ルンビニー 施設長 相原あや子

 9月18日、新しい痴呆介護の在り方を考えるシンポジウム(主催:呆け老人をかかえる家族の会愛媛県支部)が愛媛看護研修センターで開催されました。
  グループホーム・ルンビニー、アショカの理事長・藤原壽則 、施設長・相原あや子らがパネリストとして「尊厳を支援する痴呆介護」について発表し、フロアとの活発な質疑応答がありました。
  以下、シンポジウムの新聞報道(愛媛新聞,平成16年9月28日付)です。
 
 痴呆の在り方を考えるシンポジウム「呆(ぼ)けはみんなの問題、私の問題、あなたの問題〜考えよう!新しい痴呆介護」(呆け老人をかかえる家族の会愛媛県支部主催)がこのほど、松山市内であった。家族や介護関係者ら約200人が参加。パネリストらは「痴呆のある本人の生活を支援するという視点が大切」と訴えた。
 同支部は1980年に発足。集いや講習会、電話相談などを行っている。シンポジウムは世界アルツハイマーデー(21日)に合わせ、初めて開催した。

  県立医療技術大の宮内清子教授をコーディネーターに、藤原胃腸科医院の藤原壽則院長=松山市=、同市内にあるグループホームの相原あや子施設長、家族ら4人が実践や体験談を語った。

  県内の痴呆性高齢者のグループホームは介護保険制度導入後急増し、130ヶ所を超えた。高齢者の生活の場として機能する一方、理念のないケアやスタッフの質の低下などが問われている。藤原さんは「お年寄りは、どんなに記憶障害や症状が重くても、喜怒哀楽の感情やプライドを持っている。尊厳を支えるケアが欠かせない」と主張。ポイントとして、

  • 高齢者の生活リズムに合わせた暮らし
  • 残存能力の活用
  • ケアワーカーの技術の集積
  • スタッフ研修
などを挙げた。
  相原さんは、「不安や戸惑いが、徘徊(はいかい)や奇行といった症状を悪化させる」と話し、生活の継続性やなじみの関係づくりに配慮した実践を報告した。入居時の環境設定では、入居前に自宅にスタッフが出向き、お年寄りの生活背景を知り、持ち込む家具などを検討。ホームの各部屋には、嫁入りたんすや夫の遺影、鏡台、仏壇など、それぞれが”なじんできた”ものを置いているという。「世話をする、されるという関係ではなく、共に暮らしているという感覚で支援している。一人ひとりの心をくみ取ることが大切」と力を込めた。

  痴呆の父の介護をしている佐川光俊さん=同市=は、介護保険について、「ケアプラン作成時にどうサービスを利用するかということに目がいき、本人のニーズが置き去りにされがち」と指摘。自身も「父本人のつらさより、介護者である母の心配ばかりしていた」という。「本人の生活を支えるという視点で、家族とケアマネージャーや事業者、主治医などと協働していくことが、結果として介護負担の軽減にもつながる」と語った。
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