看護学生の実習レポートから・・・U

グループホーム ルンビニー アショカ 施設長 相原 あや子

 前回の看護学生のレポートを改めて読みますと、学生は施設というイメージを持ち実習に臨んだところ、そこは”家”のような雰囲気を感じる場所であったための驚き、”病院”ではなく”家”に近い”施設”に看護が展開されていることへの感動が伝わってきます。
  今回も2名の学生の実習を終えての感想を掲載します。学生の感想文から逆に、”原点を忘れないようにしなければ”と衿を正す想いにさせていただいております。
【実習を終えての感想】

M看護専門学校 A.K

   看護師さんは病院ではなくても、入居者の方について正確に情報収集する観察能力と、アセスメント能力を求められると思った。グループホームは介護職のスタッフがほとんどなので、数少ない医療スタッフとしての視点で観察しなければならず、看護師さん1人あたりにかかる責任は病院よりも大きいのではないかと感じた。
 
  職員さんは常に入居者の方と時間を共有している感じで、様々な支援をされていた。入居者の方と施設の職員さん、というよりは、皆が1つの大家族のように思えた。入居者の方が発熱や気分不良で辛い思いをされていたときに隣で支え、励ましながら食事の介助をされていた職員さんが、やっとその方が食事を口に運ばれたのを見て心から喜ばれていた姿に、私は胸を打たれた。仕事だと割り切っていては、ここまで一緒に苦しんだり喜んだりできないと思う。他者を本当に思いやるという姿に触れられたような気がした。高齢者の方が、より在宅に近い環境で暮らしていかれるようにする為には、施設を整備してただ資格を持った職員を確保するだけではならない。入居者の方をかけがえのない1人の「家族」として思いやる、家族としての愛情をもって臨まねばならないと思った。

 私は、今まで実習で関わらせていただいた患者さんたちに、どのような態度で臨んだのだろうと振り返った。こういったグループホームに入居されている高齢者も、病院に入院されている患者さんも、症状の程度や年齢は違っても、住み慣れた家や家族から離れて施設で生活を送っているのに変わりはない。1度ある患者さんに、「元気な人はたったの1週間とか2週間の入院とかいうけれど、入院している患者にとってはとても苦痛で長い時間なのよ。」と言われたことがある。もちろん医療スタッフの一員である看護学生として必要な知識と技術を習得できていることが前提であるが、同じ施設で時間を共有している1人の人間として身体面だけでなく、心理・社会的な面からも対象を支援していけるようになる必要があると思った。 

M看護専門学校 O.R

  今回グループホーム「ルンビニー」に見学実習に行き、介護者の方の対応がすごくいいなと感じました。どんな小さな訴えでも会話が成り立ってなくても入所者一人ひとりの訴えをきちんと傾聴していました。聞く姿勢もよく、真剣に聞いているという姿で、これが本当に傾聴している姿と言うんだなと感じました。また入所者の方と話すときは手や肩に触れながら話をしていました。話すときはゆっくりと優しい口調で話しかけていました。またちょうど私たちが見学実習させていただいているときに入所者同士で少しハプニングがあり、1人の入所者の方がイライラしていたのですが、その方に対しての介護者の態度がすごくいいなという印象を持ちました。イライラしている入所者の方に対して訴えをすべて受け止めてイライラがおさまるまで話を聞いたり肩をさすったりすごく上手になだめていました。入所者の方も最後には笑顔になり満足そうに介護者の方と笑っていました。その光景を見てすごくいいな、家の温かみがあるなと感じました。また、ある方が玄関から出て行った時があったのですが、介護者の方はそれを見て知っていたのですが無理やり引き止めたり叱ったりということをしないで、「基本は見守りですから」と、決してほったらかしにしているのではなく、気にはかけていても行動を制限することはありませんでした。

  施設の周りを一回りして帰ってきた入所者の方に「お帰りなさい」とか、「どこへ行っていたんですか?外は寒かったでしょう。ストーブで暖まりませんか?」など優しい声をかけていました。痴呆のある人に対して行動を禁止したり叱咤することは禁忌だと授業で習いましたが、それがそのまま生かされているなと感じ、対応がすごくうまいなと感じました。

  また、お菓子を食べる時など、入所者が1人でさびしい思いをすることがないようにと入所者の行動や表情に常に気を配っていて、1人でさびしそうにしている入所者に話しかけたりという対応をしていました。今回の実習で介護者の方の対応がすごく勉強になりました。自分もぜひこのような対応をしたいなと感じました。これからぜひ実践していきたいと思います。
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