全国認知症高齢者グループホーム大会【2005年フォーラム in 松山】 − 1 −

グループホーム ルンビニー・アショカ 施設長 相原 あや子

 平成17年5月21日、22日の2日間、上記の大会が愛媛県県民文化会館で開催されました。大会テーマは 『夢』と『希望』、『明るい未来』をともに です。主催は全国認知症高齢者グループホーム協会で、大会運営は愛媛県グループホーム連絡協議会が担当しました。私も実行委員の1人として関わらせて頂き、このような大きな会を開催する裏方の大変さを初めて経験させて頂きました。実行委員長の陣頭指揮の下、大会の盛会を願って一致団結し準備を進めました。「四国の地にどのくらいの方が来て下さるのだろう」、主催者側の一番の気がかりでしたが、全国から約1350名の参加者で会場はにぎわい、本当に安堵しました。参加者の方々は多くの収穫を得られ、満足してお帰り頂くことができたでしょうか? また、遠方から来られた方は、道後温泉でのくつろぐひと時もお過ごしいただけたでしょうか?
  今回と次回は、当施設からこの会に参加した職員からの報告を掲載します。
行政報告
演題: 「介護保険制度の見直しについて」
講師: 厚生労働省老健局
グループホーム アショカ 計画作成担当者 阿部 るつ子
●5年経って (平成12年から平成17年)

要介護認定該当者 「10人に1人」から「6人に1人」
軽度の人が増える 要支援・要介護1の増加
サービス利用者倍増 200万人から400万人

●制度創設時の懸念
介護サービスの基盤の整備 サービス提供事業者の数や質の低さ
(営利法人 50%増 NPO法人 2倍以上増)
介護保険財政の現状(40歳以上の支払う介護保険料の平均)
  第1期 (平成12年〜14年度) 2,911円
  第2期 (平成15年〜17年度) 3,293円
  第3期 (平成18年〜20年度) 4,300円(予測)
  第5期 (平成24年〜26年度) 6,000円(予測)
●見直しの視点
入居施設の利用者負担を増やす(財政難のため)
軽度の方の予防給付を始める
入居施設など地域福祉の充実
保険料の支払い40歳以上で良いのか
サービスを受ける者 原則65歳以上で良いのか
若い者にも保険料を払ってもらい、若い要介護者もサービスの対象とするかどうか
2015年(第一次ベビーブームの方が高齢者になる年)
・・までとそれ以降(高齢者の人口が横ばいになる)
・・との人口推計に合った計画を作る
●見直しの内容
  1. 予防を重視する(予防重視型システムへの転換)
    要支援1と要支援2に分ける(要支援2は現在の要介護1の軽い方)
  2. 施設の食費・住居費は自分で払う(10月から)
  3. 地域でサービスを創る(市町村)
    介護保険法の目的規定に「尊厳の保持」を明確に規定する
    「痴呆」を「認知症」に
    認知症になっても安心して暮らせる地域づくり

    「認知症を知る1年」キャンペーン

    <キャンペーンのねらい>
    「痴呆」から「認知症」への名称変更に合わせて、認知症の状態や当事者本人の気持ち、対応や支援のあり方について広く国民に情報を届け、認知症の人が尊厳をもっ地域で暮らし続けることを支える「地域づくり」の重要性について当事者(本人・家族)・医療ケア関係者・行政関係者らが共に考え、理解者、支援者の輪を広げていく基盤をつくる


  4. サービスの質を良くする
    地域包括支援センター(地域包括ケアシステム)をつくる(案)
      主任ケアマネージャーをつくる
      センターのお目付け役として「運営協議会」を置く
<感想>
  様々なデータを基に多種多様な専門家の方たちによって、「介護保険制度」が作られていることをあらためて感じた。
  その「制度」が国民の生活を良くするものであるかどうかは、行政だけの努力では限界があり、急速な高齢化やその後の人口減少に対応し得るためには、今回のキャンペーンのように福祉や医療従事者だけにとどまらず、国民全体の意識向上を高めることにつながっていくのだと感じた。
特別講演
演題: 「認知症高齢者の尊厳」
講師: 財団法人さわやか福祉財団 理事長 堀田 力 氏
グループホーム ルンビニー 管理者 竹村 文子

 さわやか福祉財団理事長 堀田力先生の講演は、まずなぜ痴呆症から認知症に変更になったのかということを権利擁護の立場から問いかけているものでした。認知症当事者の権利擁護のために最も必要なことは、認知症の特質をよく理解することであり、最大の人権侵害は認知症の特質を知らないために過剰不当な行動制約を行うことであると。

  認知症とは1つの人間の老いていく過程であり、認知するまでの過程の全ての障害ではなく、記憶機能の一部を喪失した段階であり、それが人それぞれ、部分部分違う人間である。そのことを意識し、本人の立場に立つことがその人の尊厳を守ることにつながると改めて痛感しました。

  尊厳を維持するために、

  1. なじんだ環境を変えない
  2. 本人の感覚、思いを大切にする
  3. 残存能力を生かす支援
  4. 愛情を持って接する
 これからは、認知症が特別であるという偏見を改めてもらうよう努力すると同時に、地域全体の理解と協力により認知症を支えるという視点で支援していくことが重要であり、更なる高齢化社会への取り組みであると話されていました。
  私たち介護者として日々の生活が平穏に送れるよう、それぞれの当事者の特性に応じた支援をしていきたいと思います。
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