全国認知症高齢者グループホーム大会【2005年フォーラム in 松山】 − 2 −

グループホーム ルンビニー・アショカ 施設長 相原 あや子

 先月に引き続き、本大会に参加した職員からの報告を掲載します。なお、スキルアップセミナーは大会に先立って開催されたものです。
スキルアップセミナー
テーマ: 「人として生きる事を支援する」
講師: 全国認知症高齢者グループホーム協会 理事 和田行男氏
介護職員 兵頭 可奈子
●認知症ケアの摩訶不思議

「認知症」という状態になって専門職の手にかかると「認知症の人」、「認知症性高齢者」、「認知症ケア」対象にされ、ひとくくりにして語られ扱われる不思議。
*「婆さんが呆けた」  「呆けた婆さん」

●生きること支援は「介護=手助けの本道」

「必要なときに、必要に応じて、必要な分だけ」オーバーすると・・・?
*子どもの頃=自分のことは自分でと育てられる。
  成人=自分のことは自分でしてコロッと死にたい。
  認知症=上のことができなくなる。

  ●人は生まれた直後から支援を受ける → 何のために

  • 有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるように。
  • そのために様々な専門職が活躍する。

  ●生活を奪った「認知症ケア」

  • 有する能力の如何にかかわらず、出来ることも出来ないことも職員が代行している。あるいは能力があっても発揮できる環境におかれていない。
    *自発的に何かをしたいと思う環境をつくる
               ↓
    目に入ってくる情報は大切。さりげなく目に入るところに置いておく。
●新しい認知症ケアではなく「おかしくない認知症ケア」を

  ●普通の人=誰もが状態に応じて手助けをしたり手助けをされたりしながら生きている。

   *介護ごは手助け=特殊なものではなく特別なことでもない

  • 認知症=知的な能力が衰退した状態に対して、応じたケアを受ける
  • 身体=身体能力が低下・消失した状態に対して、応じたケアを受ける
認知症になったことは残念なことでも決して不幸なことでもないわ
なぜ? だって認知症のことをよく知っている人たちが、私が「生きること」を支えてくれているからよ
その人たち、私の可能性を閉ざさない人たちなの 認知症になったからって人間を捨てるな!って
誰もが生まれたときから可能性の中で生きているように、私だって何もかも失ったわけじゃないでしょ こんな私でも「誰もが生きている姿」から遠く離れなくてもすむのは、その人たちが 生きること支援のプロだから・・・
最期まで可能性を追求してくれる人たちだから
<感想>
  和田行男氏が最後まで強調していた言葉、「生きる姿を大切にしてください」という言葉は今でも私の心の中に強く残っています。目の前にいる入居者さん一人一人の「生きる姿」を再確認し、入居者さんの「生きる姿」を変えてしまってはいないか?もう1度、自分たちがしていることや入居者さんの今の姿を見直す必要があると思いました。今回のテーマでもある「人として生きることの支援」を忘れずに、これからも入居者の方たちと楽しく生活していければと思っています。
シンポジウム
介護職員 萩山 知子

 シンポジウムでは、始めに今年2月に石川県で非常勤職員が夜勤中に入居者を殺害した事件におけるグループホーム協会の見解が伝えられ、グループホームの制度的、構造的欠陥によって発生したものとは考えにくいが、事態の重大性を受け止め、再発防止のためより一層の外部及び自己評価に熱心に取り組み、ケアの質の維持、向上に努めていきたいと報告されました。

  続いて、上記をふまえ、「2005年グループホームの現状と提言 〜認知症ケアの未来にむけて〜」をテーマに、コーディネーターに認知症介護研究・研修東京センター主任研究主幹の永田久美子氏を迎え、それぞれの立場に立った意見が出されました。

  今回はその中でも、私自信が印象に残ったシンポジストの発言を紹介させていただきます。

  1. グループホーム関係者

    介護とはグループホーム、ユニットケアという形をおっているものではなく、認知症高齢者の生きる姿を追いかけるものである。つまり、プロとして入居者個々を普通の生き方に近づける役割がある。

    子どもの頃には、自分のことは自分でしなさいと育てられ、また最後まで自分で自分のことはしたいと考えていた人が、認知症になってしまったことによって、力を借り生活するようになったことを忘れずに介護にあたって欲しい。

  2. 認知症高齢者の家族

    サービスを受けるにあたり、本人のことを介護に携わる全ての人に知って欲しい=何でも話せる環境が欲しい。
 以上のことなど意見をふまえ、終わりに永田氏より今回のシンポジウムのねらいが次のように伝えられました。
  グループホームの現状として、理想と現実のギャップに苦しみ、質の確保に苦戦しているホームも少なくない。グループホームは暮らし方や運営のあり方、制度いずれをとっても、今後さらなる進化が期待できる大きな可能性を秘めたサービスであり、地元に根をはり、人が老い認知症になっても、自分らしく暮らし続けることを支える。真の地域密着者のサービスにグループホームが成長していくため、介護者はもとより家族、地元の人々、行政、それぞれの力が必要であると提言され、終了しました。
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