スウェーデンのグループホームと専門的認知症ケアを体験する!

ルンビニー管理者 竹村 文子

  「スウェーデンのグループホームと専門的認知症ケアを体験する!」という目的で昨年の11/6〜15の日程で北欧視察に参加させていただきました。

 十数年前のスウェーデンは、先進国の中で社会保障が充実し、福祉分野で最も注目をあびた福祉大国でした。その後、比類ない勢いで進んだ高齢化にもかかわらず、安定した定年後の生活や女性の社会進出に加えて、出生率も先進国では最高で、企業や公共財政も健全といわれ、今日国民の暮らしの基盤を支える生活保障型社会政策へと発展した生活大国となりました。

 今回、スウェーデンの高齢者福祉の現場として、医療、福祉、サービス、予防のそれぞれの分野から11ヶ所を視察しました。その中で強く印象に残った所をご紹介したいと思います。

 1日目の視察、スウェーデンの南西部に位置するバルベイ市の総合病院でした。各地区の医療センターで対応困難な場合に専門家による認知症診断が行われていました。認知症の診断テストは日本でも行われているものでしたが、それに加えて、「認知症は病気であり、ケアに最も大切な事は的確な診断・治療・ケアである」と医師、看護師、心理学者、ケースワーカー、作業療法士、准看護師等でチームケアを行っていることでした。
 2日目以降の特別高齢者住居、ショートステイ、認知症高齢者住宅等、建物内の家具、食器、日用品にもそれぞれこだわりを持ち、入居者の方にとってなじみのある、穏やかな、居心地の良いものが使われていました。廊下にはあちこちにテーブルと椅子(コーヒーセットとお菓子)が。いつでも気軽に腰掛けてお茶を楽しめるスペースや、テラス、サンルームにも同じようにテーブルと椅子。室内はインテリアや証明にも工夫され、どの年代の人でも十分にくつろげる雰囲気で機能性、デザイン性にも配慮されています。(窓の上部、両端には、のれん様のオシャレなカーテンがどの部屋にも掛かって…)
 リラックス効果を目的に証明(ろうそく、間接照明など)、音楽が流れていたり。要介護高齢者の他、その家族も利用できる住居では、各部屋が年代別に分かれていて、ある部屋は1950年代−白いベッドカバー、赤い毛布、赤白チェック柄の枕、1960年代−幾何学模様のカーテン、家具もその当時に流行していた物と好みの部屋を選んで利用できるというものです。
 重度認知症高齢者へのアクティビティーと刺激療法(スヌースレン療法)も興味深いものでした。スヌースレン療法とはウォーターベッド、ミュージックベッドに横になったり、ふかふかソファに座り、スクリーンに映し出した絵、心地良い音楽、光ファイバーやオイルランプ等、五感を刺激しながら気持ちをリラックスさせることで、行動障害に効果があるということでした。
 今回の視察を通して、「福祉とは一人ひとりの人間が、自らの人生を自由に生きることを支えるものでる」と強く感じました。全ての人に対して、「一人ひとりの持つ能力を重視し、その人の生き方における選択権が尊重されている」という点です。その中でも認知症ケアは私にとって最も興味深いものでしたが、スウェーデンでも日本でも認知症高齢者は同じような症状・経過をたどり、ご家族は同じような悩みや苦しみを抱え、それを支えるスタッフもまた、同じような悩みや課題を抱え日々努力しているということを知りました。そこでの取り組みは、5年、10年後の日本での姿であろうと感じました。
  今はあの時の新鮮な感動と想いを頭でなく、心で感じたまま、これからの日々のケアに生かせていきたいと思っています。
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