四国八十八ヶ所霊場お砂踏み道場


医療法人ビハーラ 藤原胃腸科 藤原壽則

  9月3日(日曜日)、JFR友の会「四国霊場お砂踏み実行委員会」(松下博会長)のご好意により、デイサービスセンター・ビハーラ(松山市、安城寺町)にて「四国八十八ヶ所霊場お砂踏み道場」が開設されました。


  四国霊場のお砂を踏み、一心に祈れば、四国八十八ヶ所をお参りしたのと同じ功徳があるといわれ、時間のない人や脚の不自由な人、高齢者などの人気を集めているものです。JFR友の会は、松山市社会福祉協議会のボランティア団体として登録され、市内の福祉施設、病院などでお砂踏み道場を開設して、高齢者や病む人の心の癒しを実践しています。

 当日はJFR友の会の5人の会員が朝から準備をすすめました。デイサービスセンターのホールの正面に祭壇が設けられ、お薬師さんと日光、月光両脇仏が祀られ、床に88の砂袋が敷き詰められました。

 お砂踏み開始に先立って、愛媛・仏教と医療を考える会世話人、東林寺住職・杉本晃隆師が挨拶、お砂踏みの歴史を解説してくれました。そもそもお砂踏みは四国霊場から始まったと伝えられています。宗祖弘法大師が中国にいたころ、ある日立派な馬車がお大師さんを迎えに来ました。「これからお釈迦様の仏跡に案内しましょう」と伝えました。馬車は四方を四天王に守護され、天空を駆け、インドの八大仏跡に案内しました。大師は仏跡のお砂を持ち帰り、十倍にして元の8つを加えて、四国の修行の地に納めて八十八の霊場となったとの言い伝えもあります。

 午後1時、いよいよお砂踏みのスタートです。遍路の衣装を身につけ、金剛杖を手にして霊場巡りが始まりました。「ここが石手寺、次は大山寺」と、足に伝わる砂の感触を確かめながらお砂袋を踏んで行きます。デイサービスの通所者、グループホームの入居者、愛媛・仏医会の会員さんたち、近所の人たちなど100人を超す人たちが参加しました。娘さんに支えられてお砂を踏んでゆくお年寄り。子供づれの遍路、夫婦仲良く砂を踏んでゆくもの…。みんなが巡礼を終えたのは、3時過ぎでした。

 「これまでひたすらに仕事に打ち込み、少しゆとりができた頃には脚が不自由になって、でも、お四国参りはどうしても一度はしたかった」と涙を浮かべる老婦人の笑顔が輝いています。「1ヵ寺、1ヵ寺お砂を踏んでゆくと、霊気が身に沁みこんでくるようで、体がどんどん温かくなるのが分かりました」といいながら上気した顔の女医さん。脚が不自由で、いつも塞ぎこんでいるグループホームに入居中のOさん、娘さんに手を引いてもらって、しっかりとお砂を踏んでゆきます。本当に久しぶりにみる笑顔です。

 遍路経験の長いJFR友の会会長・松下博さんら5人で結成した「四国霊場お砂踏み実行委員会」は、八十八ヶ所と別格二十ヶ所の百八ヶ所で本堂周辺のお砂を集めて、1ヵ寺ずつ布袋に詰めて準備をすすめ、平成13年から市内の施設でボランティア活動として「お砂踏み道場」を開設しているのです。


  今世紀はこころの時代とも言われます。取りも直さず、ぎすぎすした今の時代に、みんなでこころを取り戻しましょうということなのです。四国遍路は、こころの旅です。そして、お接待の風習が生きているのも四国遍路の中のみです。四国遍路は、今の社会に最も求められているこころなのです。


  できれば、今後定期的にボランティアをいただいて、四国八十八ヶ所お砂踏み道場を開設してゆきたいと考えています。みなさま、ありがとうございました。


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