平成18年度病院と在宅看護・介護の連携 合同研修会に参加して

グループホームルンビニー・アショカ
デイサービスセンタービハーラ
施設長 相原あや子

 平成19年1月13日松山赤十字病院で上記の研修が開催されました。会のテーマは「顔の見える連携からこころの通う連携へ 〜連携から協働へ〜」で、午前は全体会、午後は分科会が行われました。松山赤十字病院では、松山医療圏における地域医療連携の方向性をともに考えることを目的とした合同研修会を平成12年度から毎年行っておられ、今年が6回目。私は今年初めて参加しました。

 午前中全体会が行われた教育講堂は座席がほとんど埋まり、約230名の出席があったとか。出席者は松山近郊の看護職、介護職、ケアマネージャ、医師などとのこと。全体会のメインテーマは「地域住民の生活と共にある医療・福祉の連携を目指して」で、パネルディスカッション形式で進行されました。パネラーは5名で、急性期の立場から松山赤十字病院地域連携室看護係長加治木千恵美氏、中間施設の立場から松山リハビリテーション病院事務次長重松健三氏、在宅医療の立場からたんぽぽクリニック院永井康徳氏、訪問看護ステーションの立場から済生会訪問看護ステーション所長石田恵子氏、介護支援専門員の立場から鷹の子病院・たかのこ館所長矢川ひとみ氏の方々です。核パネラーからはそれぞれのお立場から、現状と今後のビジョン、そして提言などの発表がありました。

 松山赤十字病院の現在の在院平均日数が約14日と聞き、重松氏が提言された「例えば、松山赤十字病院内に松山リハビリテーション病院のブースが設置され、入院と同時に退院後のことを患者・家族が相談できる環境作りが必要」とのことに、私もなるほどと共感を覚えました。また、訪問看護ステーションの立場から病院看護職へ望むこととして下記のような発言がありました。「患者さんの退院時、ケアマネージャーに依頼して介護保険につなぐことと、看看連携は別に考えてほしい。また、退院指導の在り方を再検討してほしい。まずは家族介護力を知ること。そして、医療行為の指導を何もかも指導するのは不安を招くので不要(吸引は重要)、反対におむつ交換、体位変換、食事介助など家族が必ずしなけrばいけないことの指導は重要。病院でできた=家でできるではない。」病院から在宅生活に戻られる場合、確かに家族介護力のアセスメントが重要で、特に医療依存度の高い方を家族が介護されることの家族の心身の負担を考えた時、私たち専門職は『病院でできた=家でできるではない」ことを肝に銘じておかねばならないと想いを新たに持ちました。各パネラーともに相互間の連携の重要性を熱心に発言され、2時間は瞬く間に過ぎました。

 昼食会、ポスターセッションの後、午後は分科会です。分科会は5会場に分かれ、(1)療養通所介護の展開と課題、(2)病気・治療と在宅生活、(3)認知症者の内的世界を理解しよう、(4)患者・利用者の経済的負担を考える、(5)生活や病状に合った介護ができているか、以上のテーマで行われました。私は、(3)認知症者の内的世界を理解しようの分科会の講師の依頼を受け担当させていただきました。まず認知症の医学的なこと、心理的状態、接し方についてお話させていただき、引き続き『認知症者が語る心の世界』のビデオ鑑賞をしていただきました。休憩の後ディスカッションです。急性期の病院に勤務されている方は「どうしても病気の治療が優先になるので、認知症の患者さんは不安から暴力行為、徘徊が出現し、どう対応するか困ることが多々ある。」と日ごろの悩みを話されました。実は、私が分科会のテーマを『認知症者の内的世界を理解しよう』とした訳は以下に示すようなことがあったからなのです。以前、急性期の病院からグループホームへ入居となった方がおられました。病院からの申し送りでは、徘徊されるので要注意とのこと。入居前に病院に面会に行かせていただいた時、ボーとされた感じで端座位も不安定でした。これは薬の副作用で、入居されて向精神薬を服用されなくなると朝からシャキッときれいにお化粧され、歩行も安定です。この方がある日こう言われました。「病院で私が廊下を歩くと、後ろから看護婦さんがついてくるんよ。私がどこかへ行ってしまやせんかと思て後つけよったんよね、きっと。」この方のこの言葉を聴いた私は、大きな衝撃を受けました。『認知症の人=わからなくなった人』と理解してしまう誤解を、認知症ケアに携わる1人として解消していかなければ。そういった理由で今回このテーマとさせていただいた次第です。

 ほかの4分科会も熱心なディスカッションが行われたと聞きました。医療、介護の様々な分野の人々がこのような形で会を持つ機会はあまりなく、私の狭まっていた視野を少し広げていただいた1日となりました。

 

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