ルンビニーの風になったいっちゃん

グループホームルンビニー介護職員 松野朱音

 Sさんが「風」になってもう半年が過ぎようとしています。開設間もないルンビニーで認知症の方の喜び、苦しみ、心の叫びを教えていただき、また、家族さんとの連携の大切さを気づかせていただきました。

 Sさんには3人の娘さんがいます。長女さんは毎日ルンビニーに来られ、一緒にお散歩に行ったり、歌を歌ったり、食事のお世話をされたりと、献身的に介護されておりました。また、私たちスタッフの気づかない所、手の回らない所など、準スタッフの様に助けていただきました。次女さん、三女さんも遠方より度々来られ、温かくSさんを見守っておられました。

 そんな3人の娘さんに見守られながら息を引き取られた後、スタッフと娘さんで死後入浴をさせていただきました。やせた体を洗いながら、「いっちゃん、しんどかったね。楽になったね。」と声をかけるうちに、今日までの事が走馬灯の様に思い出されました。

  • 大きな声でおしゃべりしていて、しかられた事
  • 子育ての相談に乗ってもらった事
  • 大好きな「上を向いて歩こう」を一緒に歌った事
  • 歯のすき間からご飯を食べてもらった事
  • 藤原先生を見る目がハートだった事
  • 大好きなプリンを食べる時のペコちゃんスマイル
  • 夜中に毛布をかかえて出て来られた事
  • 娘さんと一緒に散歩に行き、歩けなくなり迎えに行った事

など...

 本当は、涙のお別れですが、それを乗り越えた心境で、和やかな中、まるで同窓会の様な雰囲気で思い出を語りました。

 今、ルンビニーでは、みんなが大好きな「千の風になって」がよく流れています。すばらしい家族さんに見守られ、天国へと旅立たれたSさんはいつまでも私の心の中にいます。私たちスタッフはSさんの事を思いつつ、これからの認知症介護に精進していきたいと思っています。
  これからも私たちのそばでルンビニーを見守っていてくださいね。ありがとう、Sさん。

 

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