動物園へ行こう!!

認知症デイサービス ビハーラ
相談員 大森佳恵

 「皆の薬ちゃんと入れた? お金は? 印鑑は?」「全部入れたよー」
 「お弁当の引き換えの紙は?」 「私が持っとる!!」
 「忘れ物ない?」「んー…あれも入れたし、これもあるし…多分大丈夫!!」
 10月27日(土)の朝、ビハーラの2階は本当にバタバタしていました。というのも、その日は利用者の皆さん、そしてスタッフも楽しみにしていた「とべ動物園」への外出の日だったからです。利用者10名、スタッフ6名、ボランティア7名(松山総合福祉専門学校5名+聖カタリナ大学2名)、計23名という大所帯で外出するのは初めてのこと。前日に準備はしてありましたが、「遠足のしおり」を見ながら念入りに最終確認です。

 「今日は動物園に行くんよね? 私も連れてってくれる?」
 少し心配そうにスタッフに尋ねるのは、Hさん(女性)。皆で行くことを伝えると、ほっとした様子でにっこり微笑まれていました。他の皆さんも、いつもとは違う様子にソワソワされていた様です。

 心配していたお天気もどうにかもってくれ、予定通り10時半にビハーラを出発。途中で注文していたお弁当を受け取り、動物園へ向かいます。
 「うわー、こんな道があるんかや〜。あんたぁよう道知っとらい」
 私の運転する車に乗っていたAさんは、びっくりしたり大笑いしたり。他の車の皆さんも、見慣れない景色にキョロキョロされていたのではないでしょうか。

 動物園に着くとすぐ、正面ゲートのところでボランティアの学生さん達と合流。簡単に挨拶を済ませて入園し、頂上近くの広場を目指しました。フラミンゴやペンギンなどを見ながら歩き、大荷物(主にお弁当)を抱えてしばらく坂を上ります。初対面ということで、皆さんもボランティアさん達もやや緊張した様子が伺えます。
 広場に着き、まずは腹ごしらえというところでハプニング発生!?
 「あれ? お箸とおしぼりがない…」
 お店でお弁当と一緒にちゃんと受け取ったのに…。犯人は私(O森)です。車にごっそり置き忘れてしまったのです。スタッフT村が車に走ってくれたおかげで、無事にお弁当を食べることが出来ました。楽しい雰囲気の中、皆さんいつもよりたくさん召し上がっていました。

 お弁当の後は、象の前で集合写真をパチリ。それから数人ずつのグループに別れ、自由に園内を散策しました。あるグループの女性達は、去年生まれたアフリカゾウ「媛」の水浴びにほのぼの。男性達は目の前で見る大きなトラにびっくり!! 急にトラが吠えて思わず後退りする場面もありました。気付けば皆さんの緊張も徐々にとれ、ボランティアさん達ともリラックスした表情でお話されています。
 「ネコパンダ、ネコパンダ、こっち向いて!!」
 Kさん(女性)の声がする方を見ると、一時話題になったレッサーパンダが。残念ながら風太くんのように立ってはくれませんでしたが、愛らしい動きに癒されました。土曜日ということで家族連れが多く、隣にいた小さな女の子ににっこりNさん、動物より植物が気になった様子のSさん(男性)、大の阪神ファンTさん(女性)は、トラの前で記念撮影。
 「おいさん、パンス(パンツ)が…」
 と若者のファッションが気になって仕方ない様子のAさん、カメラを向けるとニヤリと笑いピースをするFさん。朝から楽しみにされていたHさんも、生き生きとした顔で楽しまれている様子。Kさん(女性)、Tさん(男性)はスタッフやボランティアさんとゆっくり話しながら動物を見て回っておられました。動物はちょっと苦手というSさん(女性)も、穏やかな表情で過ごされています。

 楽しい時間は短いもので、あっという間に集合時間。正面ゲートに集合し、ここでボランティアさん達とはお別れです。帰りの車の中では皆さんお疲れの様子で、口数も少なくうとうとされる方も。ビハーラに戻ってからは、パンフレットを見ながら、
「これ見たなぁ」 「楽しかったね」
と女性を中心に話が弾んでおられました。

 一日中バタバタし大変ご迷惑をおかけしましたが、皆さんのご協力のおかげで事故も無く無事に行って帰ってくることが出来ました。本当にありがとうございました。
 「この前動物園に連れて行ってくれてありがとう」
数日後にそんな一言を頂くことが出来、嬉しい限りです。長く記憶に残すことは難しいかもしれませんが、この一日が参加された皆さんにとって「楽しかった」「また行きたい」と思える時間であったことを願います。

 少し前から体調を崩し、動物園に行くために大事をとってしばらくお休みされていたTさん(女性)、今回の動物園への外出の企画者にも関わらず、前日から熱を出したスタッフN脇、残念ながら今回は参加できませんでしたが、また暖かくなったら是非皆で動物園へ行きましょうね♪

 

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