紙芝居「ぼくのおばあちゃん」

医療法人ビハーラ藤原胃腸科 藤原 壽則 

 「由美子さん、ご飯はまだかいのう?」
 「おばあちゃん、さっき食べたばかりじゃないの」
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 「由美子さんは、私にご飯を食べさせてくれんのかいのう」
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 今回、医療法人ビハーラ藤原胃腸科で作成した認知症の紙芝居「ぼくのおばあちゃん」の一場面です。小学校三年生のぼくの目を通して認知症のおばあちゃんを見ているという設定です。もの忘れ、見当識障害、もの盗られ妄想、徘徊などのみられるおばあちゃんですが、嬉しいとき、悲しいときなどの心は昔のままで、薬を服用し、デイサービスに通所するようになって、明るさを取り戻し、表情は輝いています。

 「ぼくはおばあちゃんが大好きです。おばあちゃんは家族みんなの宝物です。」

 認知症の人は現在200万人、2035年には450万人になるだろうと推計されています。今や認知症は誰でもがかかりうる「ありふれた病気」なのです。2004年12月、厚生労働省は、それまでの呼称「痴呆」から「認知症」に改めるようにとの通達を出しました。屈辱的な意味を持つ「痴呆」から、病気のために認知機能が障害されている状態を表す「認知症状」に改めるという意味合いの他に、困った人、地域にいるのは迷惑な人だとする偏見を払拭して、明日は我が身、私たちみんなが、自分のこととして受け止め、地域で支えあうという意味合いもあったのです。

 2005年には「認知症を知り地域で支える10カ年」構想がスタートしました。認知症を理解し、支援する人(サポーター)が地域に数多く存在し、すべての町が認知症になっても安心して暮らせる地域にすることを目標とした構想です。昨年5月、サポーターは目標の100万人を突破しました。サポーターの役割は、地域で暮らす認知症の人やその家族を様々な生活場面においてサポートすること、様々な社会資源へとつなげる窓口になること、地域にリーダーとして、街づくりの担い手になること、などです。

 当法人では、グループホーム・ルンビニー(安城寺町)、グループホーム・アショカ(南吉田町)、デイサービスセンター、認知症デイサービスビハーラ(安城寺町)を開設しています。そして、認知症の地域支援に少しでも役立てばと考え、昨年から「地域フォーラム 認知症を知ろう」を開講し、地域の人たちに出席していただいています。昨年は「認知症の医学」(藤原担当)、「認知症の介護」(相原担当)を開講しました。第3回フォーラムは3月28日(日曜日)「認知症の人の家族支援」(高橋担当)で開催予定です。フォーラムでは毎回、「もの忘れ相談」も受けています(五藤、竹村担当)。

 今回当法人で作成した紙芝居「ぼくのおばあちゃん」は、当法人の地域での講座などでみなさまに見ていただき、認知症の理解に役立てていただきたいと思っています。

 また、グループホームでは、地域との連携も重要なテーマです。音楽療法、絵手紙、園芸療法など、地域の人たちから様々なボランティアをいただいています。

 先日、2月23日、26日、地域の小学校の生徒たちが、福祉体験の一環としてグループホーム・アショカに来てくれました。入居者たちとゲームを楽しんだり、歌を歌ったりの訪問でしたが、生徒たちに紙芝居「ぼくのおばあちゃん」を見ていただきました。みんな、目を輝かせ、熱心に鑑賞してくれました。

 今回製作した紙芝居「ぼくのおばあちゃん」が、地域の人たちの認知症理解に役立つことを願っています。できれば、地域の学校への出前授業などにより、子供たちに認知症を理解していただくことなども考えています。

 

 
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