ルンビニーの歌姫♪ 天国でもあの歌を

グループホーム ルンビニー 介護職員 三好 啓美

 私がO・Cさんと出会ったのは平成18年3月11日のことでした。
Cさんは明治43年3月20日生まれでルンビニーに入って来られた時には96歳でした。
58歳で松山に移住されるまでは久万高原町で生まれ育ち、結婚し、農業やお蚕さんに精を出し働いていました。松山では立花に住まわれ、近所の椎茸店にて勤務し、みんなのリーダー的存在でなんと80歳まで勤めていたとの事です。

Cさんはルンビニーに入居された頃は前髪がすごく短く、いつもニコニコしているかわいいおばあちゃんで自分の知っている「汽車」や「南国土佐を後にして」などを唄ってはその場を盛り上げてくれていました。
 ご高齢でしたが、手すりを持ってしっかり立ち、押し車を押して歩き、入れ歯ならぬ『歯茎』でしっかりと噛んでご飯を食べ、先輩おばあちゃんのYさんを追い掛けながら日々穏やかに過ごされていました。

そんなCさんも現在は101歳になられました。少しずつ押し車を押して歩けなくなったり、ミキサー食になったり、水分にトロミをつけないとムセ込んでしまう事が多く、部屋で横になるが時間が増えていき、介護が手厚いフロアである 2階で生活する事になりました。2階にもすぐ馴染み、得意の歌を唄ったり、スタッフの手や頬にチューをしたりしては和ませてくれるという存在になっていました。

 Cさんはご高齢という事もあってか、だんだんと食事をする事も起きる事も難しくなり、部屋で過ごす事が多くなっていきました。
 そんなある日、久し振りに起きて、観音様にお参りに行った時にいつもは「元気でおれますように」と言っていたCさんがお墓参りの事を言い出したのです!!そんなCさんの気持ちを叶えようとスタッフとの話し合いでお墓参りに行く!という夢プランを立ち上げました。
 夢プランに向けて、先生に相談し、家族さんに話をし、お墓の場所を地図に書いてもらい、少しずつ実現に向けて計画していました。しかし、予定していた日は台風が来てしまい仕方なく断念しました。次に計画した日は晴れていて、Cさんの体調も良く、おしゃれをして無事出発!!車中ではウトウトする事も無く、いつも言われる「何処ぞ行くの?」という口癖を口にしながら不思議そうな顔をしていました。
 着いてすぐに家族さんの顔を見て、少しホッとしたのか柔らかい表情になり、ご主人のお墓に何度も何度も手を合せていました。思っていたお墓参りに行けた事が嬉しかったのか、お墓の前で家族さんと手を合わせたり、話をしたりしているCさんの顔は満足そうな顔に見えました。

 お墓参りも無事終わり、これからものんびりルンビニーで過ごしてもらえたらと思っていた矢先の事です。
H23年7月14日の朝方にCさんは天国に旅立たれました。急なお別れにはなりましたが、それは穏やかなお顔でした。
 最期は家族さんも一緒にお風呂でCさんの身体をキレイにしていただきました。今まで私の経験では、家族さんと一緒に入居者さんの身体をキレイにするという事はありませんでしたが、涙を流しながらCさんの身体を洗われている家族さんの姿を見ていると私も自然と涙が出てきて、最期の時をこういう形で関われるのも家族さんにとっては掛け替えのない時間なのかもしれないと思いました。
 2階の方々は、何かをしたい気持ちを持っていてもそれを言葉で伝えるのが困難な方がいらっしゃいます。入居者さんにも今思っている気持ちや「昔暮らしていた場所へ行きたい」「家族に伝えたい」と思っている気持ち等たくさんの思いがあると思います。私は伝えられない気持ちをしっかり理解して、その人の気もちになって支援していく事が大切だとCさんの死を通して改めて考える事が出来ました。

 最後になりましたが、Oさんとルンビニーで一緒に過ごせた事はとても幸せでとても勉強になりました。
天国にいるOさんの事を思いながらOさんの好きだった歌を唄います。私たちの事を見守りながら一緒に唄って下さいね。
本当にありがとうございました。

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