常在学場

認知症デイサービスビハーラ 相談員 渡部 雄貴

 1月から、ビハーラに勤めるようになって8か月が経ちました。ビハーラで働きたいと思ったのは、多くの学びの機会がある事が理由の1つでした。日々、ご利用者様やご家族様から学ばせていただく事も多く毎日が勉強の日々です。また、法人内での研修も学びの場の1つです。
 先日も、経営コンサルタントであり、介護事業者の「経栄と人創造塾」主宰を勤められている、早川先生をお招きしての研修会がありました。すこしだけ、早川先生の紹介をさせて頂くと、介護甲子園の選考委員を務められたり著書に「99の言葉の杖」、「早川浩士の常在学場」、「介護人材創造塾」などその他多数の専門誌の連載執筆があります。

 先日は「あなたなら・・・どうする?」というタイトルにてお話し頂きました。
 まず、最初にアイスブレーキングとして「どんぐりころころ」と「ああ人生に涙あり」の替え歌に全員で挑戦しました。「どんぐり〜ころころ〜」の歌詞をああ人生に涙ありの曲で歌いました。「ああ人生に涙あり」もどんぐりころころの曲でそれぞれ歌いました。どちらもなじみの歌ですが替え歌でコラボすることで頭(脳)の伝達となり脳トレになるという事や自分たち自身が創作して新しいものを作っていく事で創作介護を行うことができると話されました。その話の中で新しいとは何かという事に触れられました。
 新しいとは、立つ木という字に斧を入れます。立っている木に斧を入れるから新しいと読み、新しいとは古いものと新しいものが入れ替わるのではなく今たっている木を切り倒すということは木材(材木)になり材料となります。それは目的をもって新しいものを作り出しという事であり、0から始まるのではなく今あるものに工夫や改良や改善を加える事で新しさが生まれてくるものだと早川先生は語られました。
なじみの歌をコラボすることでどちらも原点は同じだけどそこに新しいものが生まれてくるという事を替え歌を通じて教えてくださいました。

 その後、1人5分で「あなたならどうする?」という下記の問題を考えました。皆さんもやってみてください。

Q:あなたなら、どうする?
アメリカでの出来事です。あなたを含めて4人が搭乗した軽飛行機が、事故を起こしてしまいました。不時着したのは、アリゾナ砂漠の真っ只中。最寄の町まで歩いて110kmのところです。幸い、機内には12の装備品がありました。使用するための優先順位を決めて、全員が無事に生還するための方法を考えて下さい。

装備品リスト
1.懐中電灯(乾電池が4つ入っている)
2.ガラスの瓶に入っている食塩(1000錠)
3.この地域の航空写真の地図
4.1人につき1リットルの水
5.「食用に適する砂漠の動物」という本
6.大きいビニールの雨具
7.磁石の羅針盤
8.1人1着の軽装コート
9.弾薬の装填されている45口径のピストル
10.化粧用の鏡
11.約2リットのウォッカ
12.赤と白のパラシュート

ちなみに正解は?

 1人5分で選んだ後、6人組のグループで意見をまとめました。早川先生は、このセッションを通して、決まった時間で話し合うことで時間内で話し合う事やリーダーシップを訓練する事に繋がるとされ、決められた時間の中で話し合う上でリーダーの必要性、時間管理をするタイムキーパーを作ることの必要性を教えてくださいました。また、飛行機が不時着しての緊急事態という設定から危機管理能力にも触れられました。決められた時間内に優先順位を決める際すべてに番号をつけるのではなく、今必要な物とそうでないものに振り分け(仕分け)を行うことが必要だと。最優先とそうでないものを認識する力が危機管理能力にも繋がると教えてくださいました。
 更には、アメリカの空を飛んでいるという事から法令厳守についての話もして下さり、1つのセッションの中に多くの要素を盛り込み解りやすく話してくださいました。その後も、約2時間の講義の中で日々のケアに向き合う上での心構えについて優しく解りやすく学ばせて頂きました。
 研修会は日曜日にありましたが、休日にも関わらず法人内の職員が勤務者以外は集まっており、研修の内容も相まってとてもあつい気持ちになりました。

 今回の研修で改めて感じたのは、こうした学びの場や意欲を高めるキッカケがある事が日々ご利用者様の笑顔や喜びを引き出し、スタッフ1人1人のやりがいや生きがいを作りだす1つの要因にもなっていると思いました。
 私も、頼もしい仲間たちに負けないよう早川先生に教えて頂いた常在学場(常に在ところ学びの場)の精神で自分自身を訓練しながら、ビハーラをご利用される皆様と一緒に喜びや楽しみを分かち合いながら過ごしていきたいと思います。

 

(愛媛新聞 2013年8月13日 掲載)

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