認知症の予防(2)

− ボケ予防10カ条 −

医療法人ビハーラ藤原胃腸科 藤原 壽則

 今回は、平成9年に(財)ぼけ予防協会によって提唱された「ぼけ予防10カ条」を紹介します。ぼけ予防のためには、日常生活をどのように心掛けるかがわかりやすく述べられています。この一つひとつについて、今から実践を心掛けてぼけを予防し、生涯現役を貫きたいものです。

ぼけ予防10カ条の(1)
塩分と動物性脂肪を控えたバランスのよい食事を

 10g以下の食事摂取がよいとされています。高血圧の人には6gを目安としてもらっています。味噌汁(一杯中に2g)を薄味にして、醤油量(15g中2.7g)、味付けによる食塩の量(3g)を半分以下にすれば、ほぼ10グラム前後になります。1日にとる食塩の量の差は味噌汁の量によると言われています。薄味にして具の多い味噌汁にしましょう。その他、塩分の多い焼き魚、煮物、つくだ煮、漬物などのとり過ぎに注意しましょう。
 食事中のコレステロールはできるだけ少なくし、脂肪としては1日20〜30gまでに制限し、動物性脂肪を減らし、植物性脂肪を多く摂ることを心掛けましょう。
 1日の摂取総カロリーは、体重1kg当り25〜30カロリーが目安になります。勿論、食物繊維、ビタミン、ミネラルの摂取も心掛けましょう。

ぼけ予防10カ条の(2)
適度に運動を行い足腰を丈夫に

 歩くことによって脳のいろいろな領域が刺激され、脳の代謝と循環が活発になります。歳をとっても積極的に歩き、寝たきりにならないことが、ぼけ予防のために重要です。1日1万歩を目標に、高齢者の場合は自分のペースで無理しないで歩きましょう。
 歩くこととともに、手を使うことがぼけ予防効果があるといわれています。料理をする、日記をつける、絵を描く、楽器を演奏するなどは、手を使うとともに頭を多面的に使うことになり、ぼけ予防にいっそう有効だと言われます。

ぼけ予防10カ条の(3)
深酒とタバコはやめて規則正しい生活を

 深酒をする人はウェルニッケ脳症や肝障害による脳機能異常を起こし、ぼけの状態(アルコール性認知症)になることが多いと言われています。日本酒1日3合(ビール大瓶2.5本)以上の人では、有意に脳血管性認知症になりやすいと言われています。喫煙も脳血管性認知症の危険因子とされていますし、心筋梗塞の危険因子とも言われています。深酒は脱水や転倒にもつながり、脳梗塞や硬膜下血腫の引き金にもなります。
 深酒や煙草をやめて規則正しい生活を送ることがぼけ防止に繋がります。

ぼけ予防10カ条の(4)
生活習慣病(高血圧、肥満など)の予防、早期発見・治療を

 動脈硬化は、脳、心臓、その他の臓器の、生活の習慣(高血圧、血液脂質異常症、糖尿病、肥満など)に基づく生活習慣病といえるものです。従って、日々の生活習慣に気を付けることが認知症予防に繋がるものです。
 全国の自治体や職場などで定期健診、成人病検診、高齢者検診などが行われています。これらの検診を受けて病気を早く発見、治療することです。
 肥満は高血圧とともに生活習慣病の代表的なものです。先ず、自分の標準体重を知って、これに近づくように努力しましょう。カロリーの摂り過ぎのみではなく、運動不足も関係しますので、運動をすることです。

ぼけ予防10カ条の(5)
転倒に気をつけよう・頭の打撲はぼけを招く

 多くの疫学調査で、頭部外傷の既往がアルツハイマー型認知症の危険因子であることが分かっています。「闘家認知症」といわれるものは、繰り返し頭部に外傷を受けたためにボクサーに発症する認知症のことです。転倒に際しては、できるだけ頭部を打たないように身をかわすなど、普段から運動をして、身軽に体を動かせるようにしておくことも大切です。
 家庭内では段差を少なくし、滑りやすいところには滑りにくいものを敷くなどの工

夫も必要でしょう。薄暗いところで躓きやすいところのないように適切な照明をつけるなどの工夫もしたいものです。

ぼけ予防10カ条の(6)からは次号に掲載予定です。

 
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