認知症の予防(3)

− ボケ予防10カ条 −

医療法人ビハーラ藤原胃腸科 藤原 壽則

 前号では、(財)ボケ予防協会による「ボケ防止10カ条」の前半、1カ条から5カ条までを解説しました。今回は、後半の6カ条から10カ条を紹介したいと思います。

ぼけ予防10カ条の(6)
興味と好奇心をもつように

 私たちは楽しいこと、おもしろいと思うことに興味をもちます。好奇心をもてば未知のことを知りたい、探りたいという意欲が湧きます。そして、興味も好奇心も前向きの積極的な注意を必要とします。したがって、興味と好奇心をもつことはぼけ予防に繋がるのです。趣味やボランティア活動、社会参加による、人的、社会的交流が脳の活性化、更にはぼけ予防に繋がるのです。

ぼけ予防10カ条の(7)
考えをまとめて表現する習慣を

 脳の衰えを防ぐためには、積極的に脳を使うことが必要です。
 テレビや映画を見ても刺激を受けることになりますが、ただ筋を追うだけではあまり頭を使うことにはなりません。その内容や感想、批評を自分で考え、まとめて表現することが、更に頭を使うことになり、脳の活性化に役立つのです。将棋や碁、短歌や俳句なども脳の活性化に役立つと言われています。毎日日記を書くこと、1日のできごとと感想をまとめて書くことなども有効なぼけ予防の方法の一つです。

ぼけ予防10カ条の(8)
細やかな気配りをしたよい付き合いを

 相手の心にそって細かい点までやさしい心遣いをして(理解と受容)、信頼と平和な人間関係を持つことは(なじみの心の結びつき)、安心、安住の生活にもっとも必要なものです。
 自分本位で一方的な、頑固で偏屈な態度での人への対応は、厳しい人間関係になり、独善や孤独(閉じこもり)となって、不安、不信、不満を生み、和やかな人間関係を失うものです。
 よく言われるように、「自分のまわりに、いつもよく話せる人が20人以上いるか」ということを、自ら振り返ってみましょう。

ぼけ予防10カ条の(9)
いつも若々しくおしゃれ心を忘れずに

 気持ちが老け込むと、なにをするのもおっくうになり、家に閉じこもって、愚痴ばかり言っている、ということになりがちです。心をいつも若々しく保つためには、なにかにこだわってくよくよ悩むことをしないで、いつも柔軟な考えを持つことが必要です。気分を一新して、若い人たちと一緒に、なにか新しいことに取り組んでみましょう。
 生き生きとした表情や態度は、あなたをさらに魅力的なものとします。いつも輝いていましょう。身だしなみに気を付けて、ちょっとしたおしゃれ心を持ちましょう。

ぼけ予防10カ条の(10)
くよくよしないで明るい気分で生活を

 対人関係のささいなトラブルや気持ちの行き違いなど、日々の生活で起こることにとらわれないで、ストレスをため込まず現実的にものごとを処理することが必要です。
 うつ病はぼけとは全く違った心の病気ですが、高齢者のうつ病は、気力の低下、注意力の衰えのために頭の回転が遅くなり、もの忘れがひどくなるので、認知症様の症状になることがあります。不幸にしてうつ病になったら、早期に治療することです。
 なによりも大切なことは、普段から明るく過ごすことに努め、心の健康を高めることが認知症の予防として大切です。

参考・引用文献
本間 昭「認知症予防。支援マニュアル」、2008
大友友一「ぼけになりやすい人・なりにくい人」、栄光出版社、2008
山口晴保「認知症予防」、共同医書出版社、2008

 
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