おれんじCafe だんだん

医療法人ビハーラ藤原胃腸科 藤原 壽則

 この度、当法人では、認知症カフェ「おれんじCafe だんだん」を開設することとなりました。
 2012年、厚生労働省は「今後の認知症施策の方向性について」の方針を示し、それに基づく「認知症施策推進5か年計画」(オレンジプラン)を策定しました。その中で「認知症カフェ」の普及が謳われ、認知症カフェを「認知症の人と家族、地域住民、専門職等の誰もが参加でき、集う場」と定義しています。

 当法人では、もの忘れ外来(藤原胃腸科)、グループホーム(ルンビニー、アショカ)、デイサービスセンター・ビハーラにて、認知症に対する医療と介護を実践してきました。その中で、認知症ではないかと不安を抱く人、早期の認知症や若年性認知症の人たちや家族、地域の人たち、専門職の人たちが、気軽く集って語り合う場、地域の人たちにも支持される場が必要と考え、話し合ってきました。その結果、「認知症カフェだんだん」を開設することとなりました。この間の話し合いで、認知症カフェの目的、実施する内容、期待する効果などを話し合い、議論してまいりました。本稿では、これら話し合いについて、当法人で認知症カフェ開設に至った経過とともに報告したいと思います。

【認知症カフェの目的】
  • 本人や家族が気軽に立ち寄れる場作り
  • 地域に開かれた出入り自由な場
  • 認知症初期の人への支援
  • 本人、家族への支援
  • 専門職と家族、地域の人たちが交流する場
  • 本人や家族への認知症教育、介護教育
【認知症カフェで実施する内容】
  • 茶菓の提供(将来的には食事を参加者と一緒に作って提供することを考える)
  • 介護相談、講話、勉強会、情報提供
  • 散歩、体操、園芸、手芸
  • 学習療法、回想療法
【認知症カフェに期待する効果】

認知症カフェの効果としては、認知症の本人に対する効果、家族に対する効果、地域住民に対する効果などが考えられます。

▼認知症の人本人に対する効果

  • 認知症の人がリラックスできる場の提供
  • お茶を飲みながら話合うことで、認知症の人が明るく笑顔になれる場
  • 認知症の人が様々な人と出会い、語り合い、懐かしいものに触れたり、生きがいを感じたりすることで、認知症の進行を穏やかにする
  • 閉じこもりがちな人が他者との会話、趣味的活動を通じて残存能力を活用することにより、自分らしさをとりもどす
  • 認知症の人が社会との接点を持ち、地域で暮らし続けるための居場所となる

▼家族に対する効果

  • 介護する家族が悩みや思いを語り合うことで、安心感が生まれ、明るくなる
  • つらいのは自分一人ではないことを実感し、仲間づくりの場となる
  • 介護する家族が専門職と出会い、介護サービスなどの情報提供、介護の実際などの支援を受ける場

▼地域住民への効果

  • 認知症の人と地域住民が出会い、交流の場となる
  • 地域住民が認知症を自分たちの将来のこととして身近に考える雰囲気が生まれる
  • 地域住民が、認知症の人と出会い、会話することで、認知症が特別な病気でないことを知る場
  • 地域包括支援センターや社会福祉協議会の協力で、地域のネットワーク作りや連携の強化につながる

 

以下、認知症の人と家族の会による「認知症カフェの要素7つ」と「認知症カフェ10の特徴」を紹介したい。

【認知症カフェの要素7つ】

[要素1]認知症の人が、病気であることを意識せずに過ごせる
[要素2]認知症の人にとって、自分の役割がある
[要素3]認知症の人と家族が社会とつながることができる
[要素4]認知症の人と家族にとって、自分の弱みを知ってもらえていて、かつそれを受け入れてもらえる
[要素5]認知症の人とその家族が一緒に参加でき、それ以外の人が参加・交流できる
[要素6]どんな人も自分のペースに合わせて参加できる
[要素7]「人」がつながることを可能にするしくみがある

【認知症カフェ10の特徴】
  1. 認知症の人とその家族が安心して過ごせる場
  2. 認知症の人とその家族がいつでも気軽に相談できる場
  3. 認知症の人とその家族が自分たちの思いを吐き出せる場
  4. 本人と家族の暮らしのリズム、関係性を崩さずに利用できる場
  5. 認知症の人と家族の思いや希望が社会に発信できる場
  6. 一般住民が認知症の人やその家族と出会う場
  7. 一般地域住民が認知症のことや認知症ケアについて知る場
  8. 専門職が本人や家族と出会い、本人、家族の別の側面を発見する場
  9. 運営スタッフにとって、必要とされていること、やりがいのある場
  10. 地域住民にとって「自分が認知症になった時」に安心して利用できる場を知り、相互扶助の輪を形成できる場

 第1回オレンジCafeだんだんを10月5日に開催します。
 当法人介護事業部 よろず相談室 室長 五藤 恵 が担当します。

 参考文献:
 認知症カフェのあり方と運営に関する調査、研究事業、報告書
 公益社団法人認知症の人と家族の会、2013年(平成25年)3月

 
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