認知症予防

医療法人ビハーラ藤原胃腸科 藤原 壽則

2.運動療法
 
 認知症予防に関する多くの報告で、認知症の発症頻度を下げるというもっとも確かなのが運動、特に有酸素運動です。有酸素運動は、体内に酸素を多く摂りこみながら行うもので、ウォーキングやステップ運動、ジョギングや水泳など、楽しみながら行える軽い運動が中心です。足腰の強化にも役立ち、血行もよくなり、ダイエットにも役立つものです。これに対して、無酸素運動は、酸素の取り込みの少ないやや激しい運動で、筋トレや短距離走などがその代表です。

ウォーキング

 面白い報告を紹介します。ホノルルで行われたアルクことと健康の関係を示す興味深い調査結果が報告されています。61歳から81歳までの男性707人を対象に、その後の12年間に各人が毎日歩いた距離を記録しました。そして、歩いた距離と死亡率の関係を分析したのです。707人のうち、12年間に死亡したのは208人です。興味深いのはその死亡率です。歩く距離が1日1マイル(1.6キロ)未満の人の死亡率は、1日2マイル以上歩く人のほぼ2倍にもなっていました。その他、歩くことに関する調査、研究は数多く行われています。歩く距離が減少すると筋力が衰え、体の動きが悪くなり、生活習慣病につながり、老化を早め、寝たきりになるリスクも高くなります。歩くことには、老化防止に必要なことがすべて備わっているのです。

楽しく歩く

 週3回の散歩でも脳の衰えはかなり防止できるという報告があります。最初は週1階から始めてもいいでしょう。楽しく歩いていると体が自然と歩くことを求めるようになり、2回、3回と増えていきます。

楽な姿勢で歩く

 歩き始める前に軽く全身運動しましょう。首、肩、腕、腰、ひざ、足首と全身の関節を一つひとつ意識して回転させ、関節の動きを滑らかにします。
 正しい姿勢で立ち、上半身を起こして、前よりも後ろに大きく手を振り、つま先で蹴り出し、踵から着地します。視線はあごを引いて、なるべく前方を見ます。

速歩を心掛ける

 最初はゆっくり歩き、体が温まってきたら少しずつスピードアップして早歩きにします。早歩き3分、遅歩きを3分、それを繰り返します。心拍数の目安としては120/分を超えないことです。

マンネリ化しない工夫をしましょう

 服装とシューズもウォーキングに適した、季節に合ったものを選びましょう。マンネリ化しない工夫をする。いつも同じコースを歩いても季節によって咲く花も変わります。歩いていると五感を通じていろいろな刺激が飛び込んできます。道端にそっと咲いている花、空に浮かぶ雲、さわやかな風、どこかでさえずる小鳥などの観察で、自分の命も自然とつながっていることを実感します。

ウォーキングの健康効果

 筋力が増し、新陳代謝が活発になる。
 関節の柔軟性が増し、平衡感覚がよくなる。
 骨が丈夫になり、骨折防止になる。
 循環機能が向上し、血圧が安定する。
 脳が活性化し、ボケ防止になる。
 免疫力、自然治癒力が高まる。

 
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