認知症予防
−認知症予防の食事−

医療法人ビハーラ藤原胃腸科 藤原 壽則

 認知症のリスクを低下させる食としては、世界無形文化遺産「地中海料理」と「和食」です。

地中海料理
 地中海料理の認知症予防効果については多くの研究報告があります。
 魚料理を中心に野菜、豆類をふんだんに使い、オリーブオイルをかけて食べる。ポリフェノールを含むワイン、食後の果物も有効です。オリーブオイルは抗酸化成分を豊富に含み、血液中の悪玉コレステロールを減らして動脈硬化を予防する効果も明らかになっています。

和食
 和食の予防効果を調べた研究はほとんどありませんが、脳の血管の若さを保つDHA、EPAを豊富に含む青魚をはじめ、血中コレステロールや中性脂肪を低下させるレシチンを含む大豆製品、抗酸化作用のある野菜などが豊富で低カロリーになっています。和食も地中海料理にひけを取らない認知症予防効果のある料理と考えられています。

 以下、報告されているアルツハイマー型認知症と食習慣に関する報告を紹介します。

(1)魚の摂取量とアルツハイマー型認知症の危険度
 魚の摂取に関しては、1日1回以上食べている人に比べて、ほとんど食べない人のアルツハイマー型認知症の危険度は5倍であったとの報告があります。
 脂肪は大事なエネルギー源ですが、生活習慣病を予防する上で、とり過ぎは禁物です。また、認知症になりやすくする脂肪となりにくくする脂肪があることが分かってきました。「飽和脂肪酸」の多い肉の脂肪をとり過ぎると認知症になりやすく、「不飽和脂肪酸」が多い魚の脂肪を多く摂ると認知症になりにくくなると言われています。
 魚に多く含まれる不飽和脂肪酸は、DHA(ドコサヘキサエン酸、直接脳に対する作用)やEPA(エイコサペンタエン酸、高動脈硬化作用、血清脂質改善作用)だと言われています。
 大きな目安として肉より魚に重点を置くことです。週2日は肉料理、5日は魚料理をメインとし、野菜を食べるのが理想です。肉には魚では得られない貴重な成分(良質なたんぱく質やビタミン群の供給源)があり、適度に食べなければなりません。

(2)野菜や果物のビタミンEの摂取量とアルツハイマー型認知症の危険度
 野菜や果物の摂取量が多いとアルツハイマー型認知症の発症率は低いと言われています。野菜や果物に含まれるビタミンえの摂取量で比べると、摂取量が多いと少ない人に比べて、アルツハイマー型認知症の発症危険率は3割であったという。野菜や果物に含まれるビタミンE、ビタミンC、βカロチンの効果によるものと考えられています。
 体内に取り入れた酸素から生まれる「活性酸素」は、細胞を傷つけます。そのため、抗酸化物を含むものを意識して食べるのがよいと言われています。その代表的なものがビタミンC、ビタミンE、βカロチンなどで、緑黄色野菜に多く含まれている。

(3)ワインの摂取量とアルツハイマー型認知症の危険度
 ワインの摂取では、飲まない人に比べて週1回以上飲む人はアルツハイマー型認知症発症の危険度は約半分になると言われています。赤ワインに含まれているポリフェノールが関係していると考えられています。ポリフェノールはブドウの皮や種子にたくさん含まれており、赤ワインは川も一緒に発酵させるので、ポリフェノールは白ワインよりも赤ワインに多く含まれているのです。男性は1日ワイングラス2杯、女性は1敗程度が適当です。

 ポリフェノールは脳神経細胞を保護する作用がるとされ、植物が光合成するときに作られる。多くの野菜や果物に含まれる他、ゴマのセサミン、大豆のイソフラボン、ワインのアントシアニンなどが知られています。肉や魚には含まれていません。

 
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