【第百九十六話】 卍ってなに?

法寿院 水崎圭二

先日、韓国の少年たちのグループが着用していた、原爆Tシャツやナチスの帽子が大騒ぎになった。原爆投下の場面がプリントされたTシャツを着用していたことやナチス親衛隊の紋章をあしらった帽子をかぶっていたことなどが世界的に活動しているグループとしての資質を問われたものじゃな。まあ、この一連の騒動に関しては、所属事務所が謝罪したようじゃが、韓国においては、この謝罪に納得いかない人が多く存在するらしい。原爆投下がきっかけで、韓国の植民地支配が終わったということもあり、現在でも続いている様々な反日感情は、憲法にさえ書かれてあることでもあり、子どもの頃からの教育の中にも多く見られるようじゃ。悲しいことじゃ。

ナチスドイツのシンボルであった「かぎ十字(ハーケンクロイツ)」は、民族結合の象徴として用いたようじゃが、この起源、様々な説があり、古来の卍との関連性はなかなか結びつけることは難しいようじゃ。もともと「十」の形は、宇宙の原理や命の原理を象徴する形で、もちろん紀元前の話しであるから、キリスト教の十字架は、それらの意味が含まれて象徴としたと考えられる。というのは、このの変形で、それらが変化したあまねくものを含むということかもしれない。

古代インドでは、この卍、右回りが男性原理で左回りが女性原理を示した。仏教的なこの卍の元々の語源はインドにある。太陽のシンボルであったり、理想的な王のあかしであったり、仏教以前のヒンズー教の神の胸にある渦巻いた胸毛であったり、めでたい吉祥紋として用いられた。仏教とともに中国に伝わったときにが、非常に縁起のよいものであるということから、「萬」の字があてはめられた。これが、日本に於いて「まんじ」と発音する理由であろう。お寺に行くと仏足石があったりする。これはお釈迦様の足跡を刻んだ石のことじゃ。それには、卍が記されている。インドでも多く発見されている。つまり、卍は、古代インドの理想的な偉大な人物のもつ特徴のひとつとされていたのじゃな。

日本のお寺は、それらの意で卍がシンボルマークとして地図に示されているのじゃな。しかし、そういったことの知らない外国人にとっては、地図を開いたとたんに、ナチスドイツのことが想い出されて驚いてしまうらしい。ナチスドイツによる悲惨な歴史は、今でも大勢の人々のあいだで語り継がれている。だからこそ、最初に記述した若者達の軽々しい行動は、大きな問題になるんじゃな。なんとか、この宗教的な本来の意味を世界中の人々に理解してもらいたいもんじゃのう。お寺がナチスドイツの出張所なんて思われたら大変なことじゃからのう。

今の若者に流行っている言葉で、「まじ卍(まんじ)」というのがある。流行語大賞などにも入選している新語じゃ。この言葉、特に意味は定まっておらず、感覚的な言葉じゃな。マジとは本気やばいの意で使われているようじゃ。NHKでは、「信じられない!」と注釈された。新語を作り出す現代若者のパワーには恐れ入るのう・・・