熱中症(熱けいれん、熱失神、熱疲労、熱射病)

原因・誘因・症状

 高温多湿の環境での発汗による脱水と末端血管の拡張によって、体全体の血液の循環量が減少したり、脳の視床下部の温熱中枢まで障害されたときには体温調節機能が失われることによりおこります。

 前日に比べ急に気温や湿度が上昇した場合(梅雨あけ直後など)に熱中症になりやすく体力低下、体調不良、風邪、発熱、脱水(下痢・嘔吐)状態の人、肥満、乳幼児、高齢者、我慢強い人、暑さに慣れてない人ではさらにリスクが高まります。

 疲労感、倦怠感、脱力、こむらがえり、頭がぼーっとする、頭痛、めまい、耳鳴り、はきけ、などの症状があり、発汗障害(大量の汗、汗がでない)、脱水、電解質異常をおこして体温を正常に維持できず、血圧低下、頻脈などを起こし、放置しておくと意識障害やけいれんをきたすこともあり、場合によって死にいたることもあります。

熱中症の対策

 まず衣服をゆるめ、冷水・氷などで体を冷やしましょう。
風通しのよい日陰で、両足をあげて仰向けで休ませます。
霧吹きで全身に水を浴びせて、気化熱によって冷やします。霧吹きがないときは、口に水を含んで吹きかけます。(そのときの水は冷たくなくてよい。) 
冷たい缶ジュースや氷枕などを腋の下、股などの動脈が集中する部分にあてて冷やします。 うちわなどで風をおくります。
 水分がとれるようであれば、スポーツドリンクなど0.2~0.3%の塩分を含んだ飲み物(0.9%食塩水がのぞましい)を与えましょう。(塩分のない水やお茶のみを多量に飲みすぎると低Na血症となり血圧低下、意識障害などを起こすことがあります。)それでも改善がみられないようなら、直ちに病院に搬送する必要があります。

熱中症の予防

  • 日頃より適度の運動をする。
  • 睡眠をしっかりとる。
  • 食事をしっかりとる。
  • 外出時は帽子をかぶる。
  • 運動は無理せず、早めに休憩をとり、のどが渇く前に水分摂取をする
    例:スポーツドリンクを運動前に500ml、運動開始後15分ごとに250ml程度摂る